月下のあだ花―町医者順道事件帳

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出版社: 廣済堂出版
雪が降り積もったある晩のこと、日本橋室町二丁目の材木商、北原屋の主人、善右衛門が何者かに殺された。翌朝発見された遺体は自宅土蔵内の文机に突っ伏しており、背中に短刀が刺さっていた。土蔵の出入り口はひとつ、雪の上には客間から土蔵へ向かった善右衛門の足跡と第一発見者の丁稚が往復した足跡しか残されていなかった。あるはずの下手人の足跡がなく、下手人も煙のように消えていた…。謎が謎を呼ぶ“完全犯罪”に立ち向かう蘭方医、美濃村順道の名推理が冴える書下ろし長篇時代ミステリー。