不可解な辻斬りが続発。背中から斬りつけ、銭六文だけを残す……。
六文は三途の川の渡し賃。単なる洒落ではあるまい。
四万五千石の大名の後継ぎに絡む「影御用」を受けて、元筆頭同心の源之助は……。
不可解な辻斬りが続発。侍ばかりが背中から斬りつけられ、遺体には銭六文だけが残されていた。
北町奉行所の元筆頭同心で今は閑職“居眠り番"の蔵間源之助に駿河三島藩四万五千石の藩主後継から、奇妙な影御用が舞い込んだ。
側室にと見初めた町娘の素性調査。あまりに単純な御用に思えたが、折りからの辻斬り事件との絡みで、意外な展開が待ちかまえていた。