勘十郎まかり通る 闇太閤の野望

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出版社: 二見書房
できたての、お江戸で、どえらい漢が大活躍!

十文字鑓は家康公下賜
大目付の父から勘当され、日本橋の米屋に居候しつつ萬揉め事相談で糧を得る!
豊臣秀頼の遺児が頭目の野盗を報ずる読売を手に……。

【 居眠り同心 影御用( 全30巻 )の早見俊、新シリーズ第1弾 】

向坂勘十郎は群がる男たちを睨んだ。空色の小袖、草色の野袴、右手には十文字鑓を肩に担いでいる。
六尺近い長身、豊かな髪を茶筅に結い、浅黒く日焼けしているが、鼻筋が通った男前だ。
肩で風を切り、威風堂々、大股で歩く様は戦国の世の武芸者のようでもあった。
寛永十二年、大坂落城から二十年、江戸の町には未だ戦国の気風が漂い、町のあちこちで争い事が絶えない。