南町奉行に新たな筆頭同心・菊島が、卯一郎の上司として着任した。前任者よりも年長の菊島は、次代までの繋ぎと噂され、卯一郎はさらなる手柄を挙げて昇進を目指そうとする。しかし例操り方の手法を踏襲し、書類作りを重視する菊島と、現場の卯一郎たちの同心は反りが合わない。 そんな折、抜け荷を扱って闕所となった泉州屋の関係者がご禁制の阿片を扱っているという噂が流れる。次の筆頭同心を目指す卯一郎は、菊島の制止も振り切って、泉州屋が闕所となった事件を調査し始める・・・・・・(「夏前の訴え」)。季節感溢れる江戸の夏の背景に、奉行所立て直しのために奔走する卯一郎と彼を支える家族を描く好評シリーズ第七弾!!